ちいさなゆうきのきらきらぼうけん

ふんわり、ふんわり、雲の上。 そこにはね、キラキラ、きらきら、お星さまみたいなホテルがあったんだ。 「ほしぞらホテル」っていうんだよ。

ホテルの中はね、まるで大きなおもちゃ箱。 赤、青、黄色、いろんな色が、シャラララ、って踊ってる。 床はね、虹色にきらめいて、歩くたびに、シャララン、って素敵な音がするんだ。 いつだって、やさしい音楽が、ふわーん、って流れてる、夢みたいに素敵な場所。

そこにね、ちいさな星の子、「キラリ」が遊びに来ていたんだ。 キラリはね、まあるい瞳が、キラキラ、キラキラ、とってもきれい。

「わぁ、きれい!」

キラリは、ホテルの中を、わくわく、どきどき、探検していたんだ。 するとね、キラリは、キラキラ、キラキラ、光る不思議なものを見つけたよ。 それはね、ちいさな、ちいさな「盾」だったんだ。

「きれいだなあ、これ。」

キラリの心は、ときめきでいっぱい。 でもね、どうやって使うのか、キラリには分からなかったんだ。

「やっほー!キラリ!」

元気な声がしたよ。 キラリのお友達の「ルル」だよ。 ルルはね、いつもニコニコ、おしゃべりが大好き。

「ルル、見て!このキラキラの盾!」

キラリは、見つけた盾を、ルルに見せたんだ。

「わぁ、すごい!キラリ、それ、どこで見つけたの? それがあれば、どんな怖いものもへっちゃらだね!」

ルルは、目をキラキラさせて、言ったよ。

キラリはね、ルルに褒められて、とっても嬉しかった。 でもね、なんだか胸の奥が、ちょっぴり、モヤモヤ…。

(へっちゃら…かな?)

ルルは、キラリの気持ちに気づいていないみたい。 だってね、盾は、キラキラきれいだけど、キラリが「怖い」って思う気持ちは、盾では隠せないんだ。

キラリはね、ルルと別れて、またホテルを探検することにしたんだ。 するとね、ホテルの廊下の、奥の方。 急に、暗くなった場所があったんだ。

ひんやり、ひんやり、冷たい風が吹いてきた。 ゴォーッ、ゴォーッ、って、なんだか怖い音が聞こえる気がする。

暗闇がね、キラリの心を、ぎゅーっ、って掴もうとするんだ。 怖くさせよう、怖くさせよう、って。

キラリは、持っていた「ちいさな盾」を、ぎゅっと握った。 でもね、暗闇は、盾をすり抜けて、キラリの心に、そーっと忍び寄ってくるんだ。

(盾だけじゃ、だめだ…)

キラリは、気づいたんだ。 盾だけじゃ、本当の怖さを追い払えないって。

キラリはね、そっと、盾を床に置いた。

キラリは、そーっと、深呼吸をした。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ…」

自分に、優しく、優しく、言い聞かせた。

するとね、どこからか、子守唄みたいに、優しい声が聞こえてきたんだ。

「大丈夫だよ…」

それはね、「ホテルのまもりびと」の声。 ふわふわの毛並みの、とっても大きくて、優しい生き物だよ。

その声を聞いているとね、キラリの胸の奥から、ポカポカ、ポカポカ、温かい光が灯ってきたんだ。

それはね、キラリ自身の、「ちいさなゆうき」の光。

キラリは、その「ゆうき」の光を、両手で、そーっと、包み込んだ。

するとね、不思議なことが起こったんだ。 さっきまで怖かった暗闇が、キラリの「ゆうき」の光に包まれて、ふわふわ、ふわふわ、あったかい毛布みたいになったんだ。

そしてね、暗闇は、キラリを、あったかい眠りの場所へ、そーっと、連れて行ってくれたんだ。

キラリはね、ホテルのまもりびとに、あったことを話したんだ。

「ちいさな盾は、キラキラきれいだけど、本当の怖さを消すことはできないんだね。 でも、ぼくの心の中の『ゆうき』は、暗闇をなくしてくれたんだ!」

まもりびとはね、キラリの頭を、優しく、優しく、撫でてくれた。

「そうだよ、キラリ。 ほんとうのつよさはね、君のこころのなかにあるんだよ。 その『ゆうき』はね、君が、君自身を大切にするから生まれる、一番の宝物なんだ。」

キラリはね、自分の胸に灯った「ゆうき」の温かさを、感じていた。

キラリは、ルルに「ありがとう」って伝えたくなった。 ルルが、ぼくのことを心配してくれたからかな? ルルが、ぼくのゆうきを信じてくれたからかな?

キラリは、ルルの優しさを思い出して、また、ニコニコ、ニコニコ。

キラリは、もう怖くなかった。 だってね、キラリには、いつでもキラキラ輝く「ちいさなゆうき」があるから。

ホテルを出るキラリの背中は、ちょっぴり、大きくなったみたい。 キラリは、またすぐに「ほしぞらホテル」に遊びに来たいな、って思ったんだ。

世界はね、キラキラと優しさで、いーっぱいなんだって、キラリは知ったんだ。

おやすみなさい。 いい夢、見てね。

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