ぶっ飛び!銀河テレポート大脱走

シーン……。

静かすぎる。 宇宙ステーション『コスモス・オーダー』の廊下は、今日も不気味なほど静まり返っている。 コツ、コツ、コツ。歩くリズムさえ、全員同じ。

「あーもう! 息が詰まるぜ!」

俺、カケルは食堂のテーブルを思い切り叩いた。バン! 周りの連中がギロリと睨んでくるが、知ったことか。 ここはルールだらけの巨大監獄。メシの噛む回数まで決まってるなんて、どうかしてるぜ!

「カ、カケル! 声がデカイよぉ!」

相棒のピコが、お盆をガタガタ震わせながら近寄ってきた。 コイツはとんでもないメカオタクでビビリ。でも、俺の最高の相棒だ。

「へへっ、悪い悪い。で、例のブツは見つかったのか?」 「しーっ! これを見てよ」

ピコが懐から小型ホログラムを取り出す。ピピッ。 空中に浮かび上がったのは、ボロボロの設計図だ。

「廃墟エリアのデータバンクから見つけたんだ。『ランダム・テレポート装置』……。行き先不明、運任せの超空間転移マシンさ」 「運任せ……?」

俺の心臓がドクンと跳ねた。 行き先がわからない? 最高じゃないか!

「これだ! これを使って、この窮屈な鳥カゴから脱出するぞ!」 「えええ!? 本気なの!? 計算だと成功率は……」 「うるせえ! 行くぞ、ダッシュだ!」

俺はピコの腕を掴んで走り出した。ダダダダッ! 待ってろよ、未知の世界!

   ***

「ここが立ち入り禁止区域か……ホコリっぽいな! ケホッ!」

プシューッ! 蒸気が吹き出すダクトの中を、俺たちは這い進む。

「カケル、ストップ! 前方、レーザーセンサー!」

ピコの叫び声と同時に、赤い光の網が目の前に迫る。ビュン!

「へっ、こんなもん!」

俺は壁を蹴って宙返り! クルリ! ギリギリでレーザーをかわし、着地を決める。スタッ。

「ひぃぃ! 心臓がバクバクだよぉ!」 「面白くなってきやがったぜ! 急げ、装置はこの奥だ!」

ガンガン進む俺たちの前に、巨大な鉄の扉が現れた。 ピコが震える指でハッキングを仕掛ける。カチャカチャカチャ……ターン!

「開いた!」

ゴゴゴゴゴ……。 重たい扉が開くと、そこには巨大なリング型のマシンが鎮座していた。 ホコリを被っちゃいるが、間違いねえ。こいつが俺たちの翼だ!

その時だった。

ウウウウウウ――ッ!!

けたたましい警報音が鳴り響く!

「侵入者発見。直チニ排除シマス」

ズシン! ズシン! ズシン! 背後の通路から、巨大な影が迫ってくる。 無機質な赤い目を光らせた、秩序の番人『オーダー・ボット』の大群だ!

「秩序ヲ乱ス者ハ、許サナイ。ウィーン、ガシャン!」

ボットのアームが壁を粉砕しながら迫る。ドガァァン!

「うわああん! もうダメだぁ! ペチャンコにされちゃうよぉ!」 「諦めるなピコ! あいつを動かすんだ!」

俺はマシンの操作盤に飛び乗った。

「でも、エネルギー充填に時間が……!」 「知るか! 無理やりぶち込め!」

俺は巨大なレバーを両手で掴む。グググッ! 固え! ボットの巨大な拳が、目の前まで迫る。ブンッ! 風圧で髪が逆立つ!

「ルールなんて、ぶっ飛ばせぇぇぇ!!」

渾身の力でレバーを押し込む。ガチャンッ!!

キュイイイイイイーン!!

マシンが唸りを上げ、空間がビリビリと歪み始める。 閃光が走り、景色がグニャリと曲がった。

「うわあああ! ドッカンしちゃうよぉぉ!」 「しっかり捕まってろ! 俺たちの冒険に、止まるなんて言葉はねえ!」

カッ!!

視界が真っ白に染まり、俺たちは光の渦へと飲み込まれた。

   ***

「……おい、ピコ。目を開けてみろよ」 「うう……天国? それとも地獄?」

恐る恐る目を開けたピコが、あんぐりと口を開ける。

「すっげえ……!」

そこは、見たこともないジャングル惑星の上空だった。 眼下には、緑の樹海がどこまでも広がり、巨大な滝が轟音を立てている。ザアアアアッ!

ギャオオオオオン!

翼竜のような巨大生物が、俺たちの横を悠々と飛んでいく。 重力が違うのか、俺たちの体はふわふわと空に浮いていた。

「計算不能……予測不可能……こんな世界があるなんて……!」

ピコの目がキラキラと輝き出す。 俺はニヤリと笑って、親指を立てた。

「へへっ、ワクワクが止まらねえな!」

さあ、次はどんなとんでもないことが待ち受けているんだ? 俺たちの銀河ぶっ飛び冒険は、まだ始まったばかりだぜ!

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